Page 4 - 接客サービス学習テキスト
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おもてなしとは




          おもてなしとは何か。辞書にはいくつかの語源があります。「もてなす」に丁寧語の「お」を付けたもので以

        って成す、つまり物を以って成し遂げるということを意味しています。その人に必要なものは何なのかを察し提
        供することでお客様に感動を与えることを言います。また、その語源は「表裏なし」=表裏のない気持ちでお客
        様を迎えること、とする説もあります。

          おもてなしとはお客様の立場に立って考え、お客様の望むものを、お客様の望む時と場所で、心を込めて提供

        することです。

          現代のお客様は接客対応に対する意識が非常に高くなっています。だからこそ、心からお客様に楽しんで頂き

        たいと心を尽くすこと、そして言葉や行動という「形」でその思いを伝えることが大切なのです。

        ■「おもてなしの5S」を大切に

        おもてなしを言葉や行動という形で伝えるにあたり、「おもてなしの5S」と言われるものがあります。


                               ①誠実  ②親切  ③スピード  ④スマイル  ⑤正確


          この5S を意識しながらおもてなしをしなければなりません。誠実な心から、親切な行動を、スピード感を持

        って、最高のスマイルで間違いなく正確に行うこと。それによりお客様に対し、より高い満足感と感動を与える

        ことが出来るのです。5S が欠如するとクレームを発生させてしまうことを忘れてはなりません。


        ■サービスとおもてなし(ホスピタリティ)の違い
          サービスとは主従関係がはっきりしており対価が発生するものを言い、おもてなしは主客同等で対価を求める

        ものではありません。サービスは「いつでも」「どこでも」「誰にでも」行えるものです。おもてなしは「この時」

        「この場所」「この人だけ」という特徴を持っています。
          おもてなしは例えその人がそこにいなくとも心を配り、五感と心に感動を与える行動のことを言います。ここ

        が大きな違いと言えます。

        ≪例えば≫         ■シーン/お客様が薬を飲むタイミング


                ◇サービス

                →「お水をください」と言われてから水をすぐ持っていく。

                ◇おもてなし

                →薬を取り出した時に「お薬用のお水をお持ちしましょうか」とお声をかける。

                                    「よろしかったらこちらのお水をどうぞ!」と先手の対応をする。




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